今回の京都旅は、先斗町の三福旅館さんに宿泊することがメインになります。旅館のご案内には、こう書かれています“小さな宿ですが京都のお家にお帰りになったと思って、ごゆっくりおくつろぎくださいませ“
僕もホテルでドライバーとして働いていますが、この様な一期一会の気持ちになってお客様と接している?改めて身が引き締まった思いです。
自分は冒険心がないのか、いろいろなお店でランチするより、馴染みの店でくつろいで食べたい方なので、池波正太郎さんみたいに生まれ育った浅草を中心に食べ歩き、お店を紹介していることにとても憧れていました。自分もなじみの店を作りたい。そして、そのお店を紹介したいと思って、ブログを初めたのです。
今回の三福旅館さんは、自分のスタイルにぴったりの宿です。旅館は鴨川沿いにあって、今の季節しかない川床のお店が旅館の左右にあります。なんと贅沢なロケーションでしょうか。窓の外には提灯の灯りでご飯を食べている方の姿が見えて、話には聞いていましたが、見ることができてとても感動しました。到着は20時を過ぎていて、夕食に間に合わ間に合わなかったのですが、旅館の方が斜め前の割烹とおばんざいをやっている素敵なお店を紹介してくれました。そして女将さんが店先まで案内してくれました。
案内された割烹屋さんは親方がとても親切な方で、お話をしていたら東京の中目黒にも支店を出していたことがあったようです。僕の出身地だったのでとても会話が弾みました。ラストオーダーちょっと前に入店したのであまり話せませんでしたが、とても居心地の良いお店でした。
旅館に帰ると大女将が夜遅いのにお帰りなさいと挨拶していただきました。お部屋に入ると窓のそとには鴨川が見えて、窓を開ければ静かな、川床と提灯そして鴨川のせせらぎです。そして、この旅館は、こじんまりとしていて、なぜか実家に帰ってきたような佇まいでした。やっぱりこの宿にして良かったです。
この旅館は前に雑誌で見たことがあって、素敵な宿で朝ご飯も美味しそうでした。今回この宿を決めた1つの理由でもありました。
到着のとき女将さんが「朝起きなさったら、旅館の前の先斗町から三条から四条周り20分位なのでお散歩して鴨川の自然の中に触れて観てください」と教えてくださったので、早く起きてお風呂に入ってから、散歩に出かけました。玄関に行くと大女将が「おはようさんです」と声をかけてくださいました。玄関先には水がうたれています。部屋には野のお花が飾られていて、旅館の入り口にも素敵な生花があり、感じないと気づかないおもてなしです。この歳にならないとわからなかったかもしれません。
散歩から帰ってきて、待望の三福旅館さんの朝ごはんをいただきました。素朴な見た目の中には、一品一品に丁寧に作られているのがよくわかります。特にだし巻き卵は圧巻です。焼いているのがわからないぐらい、ふわふわしていて穏やかなお出汁の味付けが微妙であじがあるかないぐらいのうす味で、朝から感動しました。小さな旅館なので板前さんは働いていないと思い、「だし巻き卵はどなたがお作りになっているのですか」と尋ねてみました。女将さんの旦那様が板前さんでつくられているそうです。三福旅館の朝ご飯で京都を味わった気になりました。
大女将さんはとてもフレンドリーでとても話が弾みました。ここは初めて泊まった旅館?と思いました。お話をするその表情がとても穏やかで幸せな気持ちにさせていただきました。
そして極め付けは、旅館を出て振り返ってみると、そこには女将さんと大女将がまだこちらに見送りされていて、感動し暖かいおもてなしのこころを感じ旅館をあとにしました。
年に一度は京都の旅館(お家)に帰ってきたい気持ちです。たった新幹線のぞみで2時間の距離です独身の僕には、この巡り合わせを大切にしたいです。田舎のある人が実家に帰る気持ちがこの年になって初めてわかった気持ちになりました。
コメント